最近よく見かけるようになった、新型コロナウイルス対策として首からぶら下げている「名札みたいなアレ」は「ウイルスシャットアウト(VIRUS SHUT OUT)」という商品です。
「クレベリン」などの空間除菌剤の一種です。
空間除菌剤とは、殺菌作用のあるガスが徐々に空気中に放散し、周囲の空間を除菌することをうたった商品で、二酸化塩素ガスを用いた商品が一般的です。
二酸化塩素(CIO2)ガスは、次亜塩素酸ナトリウム(ミルトン、ハイター等)の約2.5 倍の酸化作用を有し、微生物の殺菌に有効とのことですが、コロナウイルスやインフルエンザウイルスに対する有効性は確認されておらず、消費者庁は商品に「コロナウイルス対策」などと記載しないようメーカーを指導しているようです。
また、「ウイルスシャットアウト」には、「名札」の部分に、塩素あるいは次亜塩素酸ナトリウムと反応して二酸化塩素となる、亜塩素酸ナトリウムが配合されているようです。
二酸化塩素および次亜塩素酸ナトリウムは食品添加物として認められていますが、空間除菌剤として用いる際には濃度や使用方法が異なるため、安全とは言い切れません。
要するに、国からの安全性/有効性のお墨付きは一切無い、ということですが、一般人が取り得る新型コロナウイルスへの対策が(どこにも売っていない)マスクと、手洗いだけ、といった現状では、「名札みたいなアレ」を自己責任で使うことを責めることはできないと思います。